正解は2、4

解説

【病態】
1 誤。グスペリムスは、細胞傷害性Tリンパ球の前駆細胞から細胞傷害性Tリンパ球への成熟及び細胞傷害性Tリンパ球の増殖を抑制する免疫抑制薬である。本剤は腎移植後の拒絶反応(促進型及び急性)の治療に用いられる。抗CD25モノクローナル抗体として免疫抑制作用を示す薬剤としてはバシリキシマブがある。
2 正。タクロリムスは、ヘルパーT細胞に存在するカルシニューリンを阻害しインターロイキン(IL)-2などのT細胞由来のサイトカイン産生を抑制する。本剤は臓器移植や骨髄移植後の拒絶反応の抑制に用いられる。
3 誤。急性拒絶反応の治療には、一般的に副腎皮質ステロイド性薬のパルス療法が第一選択で用いられる。
4 正。抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンは、ヒトT細胞表面抗原に結合し、補体依存性の細胞傷害を惹起させることによりT細胞を減少させ、免疫抑制作用を示す。臓器移植後の急性拒絶反応の治療に用いられる。
5 誤。シクロスポリンは、T細胞の受容タンパク質であるシクロフィリンと結合し、この複合体がカルシニューリンのホスファターゼ活性を阻害することで免疫抑制作用を示す。ほ乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)阻害作用に基づく免疫抑制作用は、テムシロリムスの作用機序である。