正解は3

解説

【化学】
1 誤。酢酸(カルボン酸)にメトキシドイオンを反応させると酸-塩基反応が進行し、酢酸アニオンとメタノールが生成する。よって、酢酸メチル(エステル)は生成しない。一方、酢酸に酸性条件下、メタノールを反応させると酢酸メチルが生成する。
2 誤。2-ブロモ-2-メチルプロパンは第三級ハロゲン化アルキルであり、水を求核試薬としたSN2反応は進行しない。2-ブロモ-2-メチルプロパンに水を反応させると、SN1反応により2-メチルプロパン-2-オールを生成する。
3 正。ベンゼンとニトロニウムイオン(+NO2)による芳香族求電子置換反応である。ベンゼンにニトロニウムイオンが付加した後、プロトンの脱離が進行し、ニトロベンゼンが生成する。
4 誤。クロロベンゼンのようなsp2炭素-ハロゲン結合は、共鳴により二重結合性を帯びるため切れにくく、置換反応が進行しにくい。また、ハロゲン化アリールはπ電子雲が求核試薬の接近を妨げるため、通常の反応条件では反応しにくく、アニリンは生成しない。一方、クロロベンゼンに液体アンモニア中で、アミドイオン(-NH2)などの強塩基を反応させると、ベンザインが生成する。ベンザインに対しアミドイオン(-NH2)が反応し、アニリンが生成する。 
5 誤。2-メチルプロパンのようなアルカン類における炭素-水素結合は、通常の条件では切れにくいため2-クロロ-2-メチルプロパンは生成しない。一方、塩素ラジカル存在下では水素が引き抜かれ、炭素ラジカル中間体を生成する。その後、塩素と反応してラジカル塩素化が起こり、2-クロロ-2-メチルプロパンが生成する。