正解は3、5

解説

【物理】
1 誤。中性の電解質溶液を満たしたフューズドシリカ製のキャピラリーの内壁は、電解質溶液のpHが4以上になるとシラノール基(Si-OH)が解離し、負に帯電(Si-O-)する。
2 誤。フューズドシリカ製キャピラリーと中性の緩衝液を用いて電気泳動を行うと、内壁の負に帯電したシラノール基付近に集まった緩衝液中の陽イオンが一斉に陰極に向かって移動する。これに伴ってキャピラリー内の溶媒も移動するため、溶液全体が陰極に向かって移動する。これを電気浸透流(EOF)といい、このとき陰イオン性物質は陽極に引き寄せられる力も働くため、中性物質よりも遅く検出される。
3 正。ミセル動電クロマトグラフィーは、キャピラリー内にイオン性界面活性剤を添加した緩衝液を満たして電気泳動を行う方法であり、一般にSDS(ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム)が用いられる。試料は、ミセルの疎水性領域に取り込まれる度合い(分配係数の差)により移動速度に差が生じるため、中性物質も相互分離が行える。
4 誤。電気浸透流は、一般にキャピラリー内の泳動液のpHが高いほど速くなる。よって、中性試料成分の泳動速度は速くなる。
5 正。キャピラリーゲル電気泳動は、分子ふるい効果を検出原理としており、DNAを分離するとサイズの小さなものから順に検出される。