正解は5

解説

【実務】
1 誤。淋菌感染症は、20歳代に多く、男性では主に淋菌尿道炎、女性では主に子宮頸管炎を呈する。2002年(平成14年)以降、減少傾向にあり、2015年(平成27年)の報告者数は8,698件である。
2 誤。性器クラミジア感染症は、若年層の女性に多く、特に女性は自覚症状に乏しい。症状は、男性では尿道炎が最も多く、女性では子宮頸管炎、骨盤内付属器炎(PID:pelvic inflammatory disease)、肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)、不妊などを起こす。2002年(平成14年)以降減少傾向にあるが、2015年(平成27年)の報告者数も24,450件と性感染症のうちでは最も多い。
3 誤。性器ヘルペスウイルス感染症は、単純ヘルペスウイルス(HSV:herpes simplex virus)の感染によって性器やその周辺に水疱や潰瘍等の病変が形成される疾患である。2006年(平成18年)以降減少していたが、2009年(平成21年)から増加傾向にあり、2015年(平成27年)の報告者数は8,974件である。
4 誤。尖圭コンジローマは、淡紅色ないし褐色の病変で特徴的な形態を示し、視診による診断が可能である。近年は、ほぼ横ばいであり、2015年(平成27年)の報告者数は5,806件である。
5 正。梅毒は、1965年(昭和40年)以降減少傾向であったが、近年報告者数が増加している。2015年(平成27年)の報告者数は2,697件である。特に女性の患者数の増加が特徴的で、2010年(平成22年)から2015年(平成27年)の5年間で約6倍に増加している。梅毒は、感染後3~6週間程度の潜伏期を経て、経時的に様々な臨床症状が逐次出現する。特に早期顕症II期梅毒の皮疹(バラ疹)が特徴的である。