【病態】
1 正。結果に影響する第三の要因とばく露が関連するために、ばく露と結果の関連性がゆがめられることを交絡といい、交絡を起こす因子を交絡因子という。本症例は重症の患者が100名ずつとそろっており、その結果、薬物B投与における重症の患者で副作用の発現割合が2倍高いことより、薬物と副作用の関係以外に重症度という因子が副作用発現に関与していることがわかり、本症例において重症度は交絡因子であると考えられる。
2 正。多変量解析とは、複数の変数からなるデータを統計学的に扱う手法の総称である。本症例の場合では薬物と副作用の関係性のみならず、重症度と副作用の関係性を調べることが可能である解析手法である。
3 正。層別化とは、データを年齢別などの同じ共通点をもつグループに分類することである。本症例は疾患の重症度が交絡因子であるため、重症度を層別化することにより交絡因子を取り除くことができ、解析段階で調整して比較することができる。
4 誤。薬物Aは重症度と副作用発現に関係性がないため、重症の患者でも重症でない患者でも副作用発現は100人に20人の割合である。薬物Bは重症の患者の副作用発現が2倍高いことから、重症患者は100人に10人の割合で副作用が発現する。詳細をまとめると以下の表のようになる。表より、重症の場合、薬物Aでの副作用の発現割合は20/100、薬物Bでの副作用の発現割合は10/100であり、薬物Bは薬物Aに比較すると副作用の発現割合は小さい。
5 正。薬物Aは重症度と副作用発現に関係性がないため、重症の患者でも重症でない患者でも副作用発現は100人に20人の割合である。薬物Bは重症でない患者の副作用発現が2倍低いことから、重症でない患者は100人に5人の割合で副作用が発現する。よって、重症でない場合、薬物Aによる副作用の発現割合は20/100、薬物Bによる副作用の発現割合は5/100となり、薬物Aは薬物Bに比較して副作用の発現割合が大きい。
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