正解は 2 MRIでは、体内の水などの水素原子核の緩和時間の差を利用している。

解説

【物理】
1 誤。MRIは、ラジオ波領域の電磁波が用いられる。ラジオ波は非電離放射であるため、放射線ではなく被ばくがない。また、ラジオ波は、X線に比べて非常にエネルギーが小さく、身体に対するエネルギーの影響は極めて小さい。
2 正。MRIは、体内の水などの水素原子核が励起状態から基底状態へ戻る緩和時間の差を利用し画像化している。緩和時間は、病変や組織によって異なる。
3 誤。MRIは、体内の水など水素原子核が励起状態から基底状態へ戻る緩和時間の差を利用し画像化している。一方、超音波診断法では、ドップラー効果により血流速度を測定することができる。ドップラー効果とは、動きのある物体に超音波を照射すると、物体の速度に比例して反射波の周波数がずれる現象のことである。この効果を利用して、血管内を流れる赤血球の流れの向きや速度(血流速度)を測定できる。
4 誤。MRI造影剤として用いられるガドリニウム製剤は、Gd3+イオンが含まれており常磁性を示す。Gd3+イオンは、水素原子核の緩和時間を短縮させる作用が常磁性を示す金属イオンの中で最大であり、T1の緩和時間を短縮し、T1強調画像において、高い信号を得ることが可能である。
5 誤。硫酸バリウムは、X線造影撮影法の陽性造影剤である。また、MRI造影剤として用いられるものにはガドリニウム製剤やクエン酸鉄(III)アンモニウムなどがある。

こんなこともあるので腎不全には使わない!

腎性全身性線維症(NSF)に注意  ガドリニウム.pdf