【薬理】
1 誤。尿酸排泄促進薬であるプロベネシドなどに関する記述である。プロベネシドは、有機アニオントランスポーター(主にURAT1)による尿酸の再吸収を阻害して、尿中排泄を促進し、血中尿酸値を低下させる。支持療法に用いる薬物の作用機序には該当しない。
2 誤。アルキル化薬であるシクロホスファミドなどに関する記述である。シクロホスファミドは、肝臓のP450により活性代謝物となり、DNAの核酸塩基をアルキル化して、DNA合成を阻害する。支持療法に用いる薬物の作用機序には該当しない。
3 正。グラニセトロンに関する記述である。グラニセトロンは、延髄の化学受容器引き金帯(CTZ)及び消化管の求心性迷走神経終末にある5-HT3受容体を遮断することにより抗悪性腫瘍薬又は放射線照射によって誘発される悪心、嘔吐を抑制する。
4 正。顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤であるフィルグラスチムに関する記述である。フィルグラスチムは、骨髄中の好中球前駆細胞に存在するG-CSF受容体を刺激することにより、好中球前駆細胞から好中球への分化を促進し、末梢血中の好中球数を増加させるため、がん化学療法による好中球減少症などに用いられる。
5 誤。ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)を刺激する薬物として糖尿病治療薬のピオグリタゾンがある。ピオグリタゾンは、PPARγを刺激し、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)産生抑制作用、アディポネクチン産生促進作用を示し、インスリン抵抗性を改善させる。支持療法に用いる薬物の作用機序には該当しない。
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