正解は 1、4

解説

【生物】
 尿素回路は肝臓に存在する代謝経路であり、細胞に対して有毒なアンモニア(NH3)を無毒な尿素に変換する経路である。

1 正。(1)の反応では、律速酵素のカルバモイルリン酸合成酵素㈵型の作用により、NH3、CO2及び2ATPが反応しカルバモイルリン酸が生成する。また、(2)の反応では、アルギニノコハク酸合成酵素の作用により、シトルリン、アスパラギン酸及びATPが反応しアルギニノコハク酸が生成する。
2 誤。尿素回路の律速段階は、(1)の反応である。(1)の反応を触媒するカルバモイルリン酸合成酵素I型は、アロステリック酵素の一種であり、N-アセチルグルタミン酸濃度の上昇により活性化される。
3 誤。化合物Aはオルニチンであり、一酸化窒素(NO)合成酵素の基質ではない。NO合成酵素の基質はアルギニンであり、NOとシトルリンを生成する。
4 正。化合物Bは尿素である。尿素中の窒素原子の1つは、(1)の反応により導入されたNH3由来であり、尿素中のもう片方の窒素原子は、(2)の反応により導入されたアスパラギン酸由来である。
5 誤。尿素回路を触媒する酵素群は、肝臓のミトコンドリアマトリックスと細胞質に存在する。NH3からシトルリンが生成するまでの反応を触媒する酵素は、ミトコンドリアマトリックスに存在し、それ以外の反応を触媒する酵素は細胞質に存在する。