【薬剤】
1 正。タクロリムスは、赤血球への移行率が高く、赤血球画分に多く分布するため、測定サンプルとして血清ではなく、全血を使用する。
2 誤。タクロリムスはトラフ値を指標にした投与設計が行われる。なお目標血中濃度は、腎移植では5 ng/mL未満前後(3ヶ月以降)、肝移植では5
ng/mL前後(維持期)、5 ng/mL未満(3ヶ月以降)、リウマチでは3〜5 ng/mL、重症筋無力症では10 ng/mL未満とされている。
3 誤。タクロリムスは、主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝され、代謝物の大部分は胆汁中に排泄される。
4 誤。タクロリムスは、CYP3A4による代謝やP-糖タンパク質による排出を受ける。したがって、リファンピシンなど、CYP3A4やP-糖タンパク質を誘導する薬物を併用している患者では、血中濃度が低下する可能性がある。
5 誤。シクロスポリンはCYP3A4で代謝されるため、タクロリムスと併用した場合、競合的に代謝が阻害されシクロスポリンの血中濃度が上昇する可能性があるため併用禁忌である。
〇