【衛生】
1 誤。マラチオンは、小麦、とうもろこし、大豆などの食品中に残留することがあり、残留農薬基準値が設定されている。
2 正。ダイオキシン類の毒性の強さは化合物によって異なり、2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)が最も毒性が高い。ダイオキシン類の毒性評価には、2,3,7,8-TCDDの毒性を1として、その他のダイオキシン類の相対的な毒性の強さを換算した毒性等価係数(TEF)を用いる。
3 正。無機鉛の消化管吸収率は成人で約10%であるのに対し、幼児や小児では約50%で、成人よりもかなり高い。
4 誤。有機スズ化合物であるトリブチルスズ化合物(TBT)、トリフェニルスズ化合物(TPT)、ビス(トリブチルスズ)オキシド(TBTO)は、船舶や漁網の防汚剤などに使用されていた。有機スズ化合物は内分泌かく乱作用が認められており、特にTBTOは化審法の第一種特定化学物質に指定され、製造、輸入、使用が禁止されている。缶詰の内側のメッキに使用されるのは無機スズであり、内部の液に硝酸イオンが存在するとスズが溶出し、嘔吐、下痢などの症状を示す中毒が起こるが、鉛フリーの純スズはメッキに使用されている。
5 誤。ヒト体内に吸収された無機ヒ素は、S-アデノシル-L-メチオニンをメチル基供与体としてメチル化され、メチルアルソン酸やジメチルアルシン酸として尿中に排泄される。トリメチル化されたアルセノベタインは、魚介類、特に甲殻類に高濃度に存在する低毒性の化合物であり、ヒト体内では変換できない。
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