【薬理】
1 誤。ポリエンホスファチジルコリンは、生体膜依存性酵素の活性を維持することにより、脂質及びタンパク質などの各種代謝を改善し、肝臓及び動脈壁を中心とする機能と形態を調整するため、慢性肝疾患における肝機能の改善、脂肪肝、高脂質血症(脂質異常症)の改善に用いられる。
2 誤。グリチルリチンは、糖質コルチコイド様作用や免疫調節作用を示すことにより、慢性肝疾患における肝機能異常を改善する。
3 誤。ウルソデオキシコール酸は、肝臓での胆汁分泌を促進することで胆汁うっ滞を改善する。また、胆石溶解作用も有している。
4 誤。パパベリンは、ホスホジエステラーゼを阻害すると考えられており、細胞内サイクリックAMP(cAMP)濃度を上昇させることで、平滑筋を弛緩させるため、胆道系平滑筋などの緊張を緩和する。
5 正。フロプロピオンは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害してノルアドレナリン(NAd)の不活性化を抑制し、β受容体を介するOddi括約筋の弛緩作用を増強して胆汁の十二指腸内への排出を促進することで膵胆道内圧を低下させる。
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ポリエンホスファチジルコリン: EPL
フロプロピオン: コスパノン