【実務】
1 正。アスピリン腸溶錠は、錠剤の表面に腸溶性コーティングを施しており、粉砕によりコーティングの皮膜が崩れるため、原則として粉砕は不可である。
2 誤。アスピリン腸溶錠は、虚血性脳血管障害(脳梗塞)における血栓・塞栓形成の抑制目的に処方されている。本患者において、解熱鎮痛作用を目的として処方されているわけではない。
3 誤。グレープフルーツジュースの成分(フラノクマリン化合物)が、ニフェジピンの消化管での代謝を抑制(CYP3A4を阻害)し、薬物の血中濃度が上昇する可能性がある。同時服用はもちろん、ニフェジピン服用期間中に、グレープフルーツジュースの飲用は避けることが望ましい。
4 正。アスピリンは、プロスタグランジン生合成抑制作用により、胃の血流量が減少し、消化性潰瘍を悪化させることがあるため、消化性潰瘍の既往のある患者には慎重投与である。そのため、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往の有無を確認する必要がある。
5 誤。ニフェジピン腸溶細粒の服用時に、降圧作用に基づくめまいなどが現れることがあるが、急に投与を中止した場合、症状が悪化することがあるため、自己判断で中止しないように指導する。
〇