【病態】
1 正。初期治療には、副腎皮質ステロイド性薬を使用する。副腎皮質ステロイド性薬抵抗性例には免疫抑制薬などを併用する。
2 正。肝機能の亢進による血液凝固因子産生促進により、動静脈血栓症の合併が認められる。そのため、血小板凝集あるいは血小板由来の炎症性因子の抑制と透過性亢進の是正を目的にジピリダモールが用いられる。また、ジピリダモールは尿タンパク減少作用がある。
3 誤。低タンパク血症により浮腫が生じやすいため、浮腫の改善にはループ利尿薬を中心とする薬物療法が行われる。
4 誤。高カリウム血症を併発するときには、カリウム排泄型利尿薬のフロセミドや、陽イオン交換樹脂のポリスチレンスルホン酸ナトリウムが用いられる。球形吸着炭は、内服により慢性腎不全における尿毒症毒素を消化管内で吸着し、進行性慢性腎不全における尿毒症症状の改善及び透析導入の遅延に用いられる。
5 誤。低タンパク血症に伴う肝でのタンパク合成亢進のため高コレステロール血症が生じやすい。治療薬には、ヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素阻害薬が用いられる。エゼチミブは小腸からのコレステロールの吸収を抑制する薬剤であり、合成が亢進しているネフローゼ症候群では効果が低い。
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