正解は 5 UGT1A1

解説

【薬剤】
 ビリルビンは、ヘモグロビン(血色素)の代謝によってできる黄色色素であり、直接型と間接型の2つがあり、間接型は赤血球が破壊されて血中に流れだしたものをいい、直接型は肝臓でグルクロン酸抱合されたものをいう。
 直接型ビリルビンと間接型ビリルビンをあわせて総ビリルビンといい、検査では総ビリルビンと直接型ビリルビンを測定し、その差から間接型ビリルビン値を求める。

(1)間接型ビリルビンが上昇するとき:ビリルビンの生成亢進(溶血性黄疸)や肝臓での抱合以前の処理過程の異常は、間接型ビリルビンが優位な上昇を示す。

(2)直接型ビリルビンが上昇するとき:肝細胞障害で上昇が見られる。直接型に変換後に毛細胆管への輸送が障害される排泄障害で見られる(肝細胞性黄疸)。また、肝外胆道における通過障害(閉塞性黄疸)では、直接型ビリルビンが優位に上昇する。

 本患者は血中間接ビリルビン値が高値を示しており、以前他院にて体質性黄疸と診断されている。よって、UGT1A1活性(肝臓での抱合)が低下することによって間接型ビリルビン値が高値を示している可能性がある。