【実務】
慢性心不全の治療指針は重症度に応じて異なる。アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は、NYHA分類
I度からIV度までの幅広い患者に対して投与される。ACE阻害薬が使用できない場合、アンギオテンシンII
AT1受容体遮断薬(ARB)を用いる。また、できる限りαβ受容体遮断薬であるカルベジロールを導入することが望ましい。
本患者は、NYHA分類
I度と診断されていること、副作用歴にリシノプリル(ACE阻害薬)による空咳があること、現在はテルミサルタン(ARB)を服用中であることから、追加薬としてはαβ受容体遮断薬であるカルベジロールが最も推奨される。
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