【薬理】
神経の興奮と伝達物質の遊離に関して、各種イオンチャネルが関与している。Na+チャネルは、開口により細胞内へNa+を流入させ、細胞膜の脱分極・活動電位を発生させて、神経細胞を興奮させる。また、Ca2+チャネルは、開口により細胞内へCa2+を流入させ、神経伝達物質を遊離させる。一方、K+チャネル開口による細胞外へのK+の流出及びCl−チャネルの開口によるCl−の細胞内への流入は、細胞膜を過分極させて活動電位の発生を抑制し、神経細胞を抑制する。
神経障害性疼痛(糖尿病性神経障害に伴う痛みなど)の治療薬は、神経細胞を抑制して鎮痛作用を示すことから、その機序としてNa+チャネル及びCa2+チャネルを介する陽イオンの流入抑制が示唆される。そのため、選択肢1、選択肢5が該当すると考えられ、選択肢1はプレガバリンに関する記述、選択肢5はメキシレチンに関する記述と推測される。
プレガバリンは、電位依存性Ca2+チャネルのα2δサブユニットへの高い親和性により、Ca2+の細胞表面での発現量及びCa2+のシナプス末端への流入を低下させ、興奮性神経伝達物質の過剰放出を抑制する。メキシレチンは、知覚神経のNa+チャネルを抑制し、知覚神経の自発性活動電位の発生を抑制する。
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