【薬剤】
1 正。血清中ジゴキシン濃度を免疫学的測定法で測定する場合、腎不全、肝不全の患者、新生児及び妊婦の血清中には、DLIS(digoxin-like
immunore active
substance)の存在が確認されており、多くの免疫測定キットではこの物質の影響で、ジゴキシン濃度がみかけ上高くなるとの報告がある。
2 誤。アジスロマイシンは副作用として、QT延長を起こす可能性があるため、低K血症や低Mg血症、キニジン、アミオダロンなどを服用している患者では、治療薬物モニタリングが必要となる。
3 誤。テオフィリンは主に肝代謝により消失するため、腎機能の指標であるクレアチニンクリアランスは、投与量を決定する指標には用いない。
4 誤。TDMの目的は、血中の薬物や代謝物の濃度を測定し、そのデータを薬物動態学的に解析することによって、患者個別の薬物投与計画を合理的に決めようとするものである。したがって、血中薬物濃度と薬効・副作用との間に相関がある薬物において有用である。
5 正。臨床検査に繁用される血清分離剤入り採血管は、凝固した血液を遠心操作により血清と血餅を分離するものである。これらの採血管では血清分離剤としてシリコンオイルやシリカ微粉末などが用いられるため、薬物によっては吸着し、血清中濃度が低く見積もられる場合がある。
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