正解は 5 本剤は、褥瘡からの滲出液が多いときにも使用できます。

解説

【実務】
 褥瘡とは、寝たきりなどの場合に体重で圧迫されている場所の血流が悪くなり滞ることによって、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができることをいう。圧迫だけでなく摩擦やずれなどの刺激が繰り返されている場合も褥瘡になりやすい。褥瘡になりやすい人の特徴として、(1)自分で体位変換ができず長期間寝たきり、(2)栄養状態が悪い、(3)皮膚が弱くなっている(高齢者、排泄物や汗により皮膚のふやけがある、むくみが強い、抗悪性腫瘍薬やステロイドなどの薬の副作用で免疫力が低くなっている)などがあげられる。
 褥瘡が発生しやすいため特に注意しなければならない病気として、骨盤骨折、糖尿病、脳血管疾患、脊椎損傷がある。
 褥瘡の治療では、「除圧・体圧管理」「スキンケア、局所治療」「栄養管理」が治療の三本柱とされる。

1 適切。褥瘡(床ずれ)の原因の1つに低栄養状態がある。低栄養の人のための栄養管理方法としては、疾患を考慮した上で、高エネルギー、高タンパク質のサプリメントによる補給を行うことが勧められている。
2 適切。体圧分散寝具を用いることで褥瘡の発生率を低下させることができる。体圧分散寝具とは、体の沈み込みや包み込みにより突出部の圧力を低くしたり、接触部位を経時的に変えることによって接触圧を低くする寝具であり、褥瘡の予防及び治療に有効である。
3 適切。本剤には、創面保護効果、皮膚軟化作用、肉芽形成作用がある。
4 適切。本剤の主成分であるジメチルイソプロピルアズレンの薬理作用に抗炎症作用、ヒスタミン遊離抑制作用がある。
5 不適切。本剤は油脂性基剤である白色ワセリンが含まれるため、吸水性が高くはなく、褥瘡からの滲出液をコントロールできない。そのため、褥瘡からの滲出液が多いときは使用しない。褥瘡からの滲出液が多いときは、吸水性に優れる水溶性基剤のマクロゴール軟膏を主に用いる。