正解は 2、4

【衛生】
 健康な人は、血液中に少量のインスリンが常に分泌(基礎分泌)され(図中のA)、さらに食後に血糖値が上昇すると大量のインスリンを分泌(追加分泌)する(図中のBC)ことで血液中のブドウ糖の量が一定に保たれるよう、血糖値の調整が行われている。

1 誤。Aの時点の血糖値は、全身へのエネルギー供給のため血糖値を一定の状態にする必要があり、肝臓に貯蔵されたグルコースのホモ多糖体であるグリコーゲンが、グルカゴンの分泌により分解されたものである。骨格筋中のグリコーゲンは、激しい運動で急激にエネルギーが必要となった場合の供給源として骨格筋のみで利用されるため、肝臓中のグリコーゲンとは異なり、血糖値の維持や調節には利用されない。
2 正。Bの時点の血糖値の上昇は食事によるものである。食事に含まれる糖質は種々の消化酵素により単糖にまで分解される。膜の二糖類分解酵素による消化により生成した単糖のうち、グルコースとガラクトースはNa+/グルコース共輸送体(SGLT1)によって能動的に細胞内に取り込まれる。細胞内に入ったグルコースは別のグルコース輸送体(GLUT2)を介して促進拡散により基底部側に移動し、毛細血管に入る。
3 誤。Bの時点において、インスリンは膵ランゲルハンス島B(β)細胞で産生され、血中へ分泌されることで、グルコースの筋肉などの細胞内への取り込みを促進させる。
4 正。Cの時点における血糖値の低下は、インスリンによるグルコースの取り込みの促進によるものである。食事などによって血糖値が高いときは、骨格筋や脂肪組織においてグルコースの取り組みに関与するGLUT4がインスリンにより誘導され、血液中のグルコースの取り込みが促進され筋肉でグリコーゲンや脂肪に変換される。
5 誤。Cの時点において、食事などによって血糖値が高いときは、膵臓のランゲルハンス島B(β)細胞よりインスリンが分泌され、インスリンによりグリコーゲンの分解系が抑制され、グリコーゲンの合成系が促進される。