【薬理】
1 正。インフリキシマブは、キメラ型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体であり、特異的にTNF-αに結合し、TNF-αのTNF受容体への結合を阻害する。その結果、可溶性TNF-αの生物活性を中和するとともに、膜結合型TNF-α発現細胞を補体依存性細胞傷害作用(CDC)又は抗体依存性細胞媒介型細胞傷害作用(ADCC)により傷害することにより抗リウマチ作用を示す。
2 誤。プレドニゾロンは、合成副腎皮質ステロイド性薬であり、細胞質のグルココルチコイド受容体に結合して複合体を形成する。その後、複合体が核内へ移行することで標的遺伝子の転写を調節し、抗炎症作用などを示す。
3 誤。トシリズマブは、遺伝子組換え型ヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体であり、本剤が可溶性及び膜結合性IL-6受容体と結合する。その結果、IL-6のIL-6受容体への結合を阻害し、炎症反応を抑制して抗リウマチ作用を示す。
4 誤。アバタセプトは、ヒト細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)の細胞外ドメインとヒトIgG1のFcドメインより構成された遺伝子組換え可溶性融合タンパク質であり、抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合し、T細胞のCD28を介した共刺激シグナルを阻害することでT細胞の活性化を抑制し、抗リウマチ作用を示す。
5 誤。トファシチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬であり、主にJAK1及びJAK3を阻害し、リンパ球の活性化・増殖・機能発現に関わる種々のサイトカインの受容体を介したシグナル伝達を阻害することで免疫反応を抑制する。
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