【実務】
1 正。チオトロピウム臭化物水和物は、抗コリン作用による眼圧上昇に伴い、緑内障を悪化させるおそれがあるため、閉塞隅角緑内障に禁忌である。
2 誤。ブデソニドなどの副腎皮質ステロイド性薬に関する記述である。吸入ステロイドでは、口腔内の免疫抑制作用やステロイド自身の直接的な作用により、副作用として口腔カンジダ症や嗄声などを生じる。そのため、副腎皮質ステロイド性薬を含む薬剤吸入後には、副作用を回避する目的でうがいをするよう患者に伝える。
3 誤。チオトロピウム臭化物水和物は、長時間持続型の抗コリン薬(LAMA)であり、COPDの気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解に1日1回で用いられる。急性増悪時に頓用で使用する薬物ではない。
4 正。テオフィリンは、主に肝薬物代謝酵素CYP1A2で代謝される。喫煙によるCYP1A2の誘導によりテオフィリンの血中濃度が低下するため、喫煙者ではテオフィリンの作用が減弱するおそれがある。禁煙指導の際には、禁煙により、CYP1A2の誘導が減弱し、テオフィリンの血中濃度が上昇しやすくなるため、副作用の発現に注意する。
5 誤。テオフィリンの副作用に横紋筋融解症がある。テオフィリン服用中は、赤色尿、脱力感、筋肉痛、クレアチンキナーゼ(CK)上昇などに注意し、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
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