【化学】バラシクロビルはアシクロビルとL-バリンのエステルであり、肝初回通過効果によりエステル構造が加水分解され、アシクロビルとL-バリンに変換される。
1 誤。バラシクロビルは、アシクロビルにL-バリンを結合させることにより、アシクロビルの経口吸収性を改善したプロドラッグである。
2 正。バラシクロビル中のバリン構造及びL-バリンの不斉炭素の立体配置は以下のとおりであり、いずれもS配置である。よって、バラシクロビル中のバリン構造はL体である。
3 誤。エステル構造が肝初回通過効果により加水分解され、アシクロビルに代謝される。
4 誤。バラシクロビルの活性代謝物であるアシクロビルは、ウイルスが感染した細胞内に入ると、エステル構造の加水分解により生成したアルコール酸素がウイルス性チミジンキナーゼにより一リン酸化された後、細胞性キナーゼによりリン酸化され、アシクロビル三リン酸となる。よって、bに示す酸素原子はリン酸化されない。
5 正。バラシクロビルは、アシクロビルにアミノ酸のバリンを結合させたことにより、消化管上皮細胞のペプチドトランスポーター(PEPT1)に認識され、吸収される。
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