正解は 2 フェンタニルクエン酸塩舌下錠

解説

【実務】
がん性疼痛は主に持続痛と突出痛に分けられ、オピオイドの定時服用により、持続痛を抑えられるよう患者個別に用量を設定する。突出痛が出現した際には定時服用以外にオピオイドを追加投与することがあり、これをレスキュードーズという。
また、NRS(Numerical Rating Scale)は、痛みを0~10までの11段階に分け、痛みがまったくないのを0、考えられるなかで最悪の痛みを10として、痛みの点数を問うものである。
本患者は処方1により疼痛コントロールを行っていたが、午後になると生じる定期的な痛み(持続痛NRS:8/10)と、突然生じる痛み(突出痛NRS:8/10)が生じていた。
処方2では、1日2回服用していたオキシコドン塩酸塩水和物徐放錠が増量され、持続痛は改善された(NRS:3/10)。しかし、突出痛についてはオキシコドン塩酸塩水和物散の増量では変化がなく(NRS:8/10)、痛みが出始めるとすぐに強い痛みになるとのことであった。
したがって、レスキュードーズでは、薬効が速やかに発現し、退院後も継続使用しやすいフェンタニルクエン酸塩舌下錠への切り替えが望まれる。