正解は 3 入院中、本剤は患者の自己管理とする。

解説

【実務】
サリドマイド製剤は、1950年代に催眠鎮静薬等として販売されていたが、妊娠中の女性が服用することにより胎児に重度の先天異常を引き起こしたため、販売中止と回収が行われた。日本では、2008年に多発性骨髄腫に対する治療薬として再び承認された際、承認条件として、胎児への薬剤の影響を防ぐために、「サリドマイド製剤安全管理手順(TERMS)」を製造販売業者が作成し、それに基づき本剤を厳格に管理し、適正使用を推進している。
1 正。TERMSは、製造販売の承認を受けたサリドマイド製剤を厳格に管理し、併せてこの厳格な管理を基盤とした本剤の適正な使用を推進し、本剤の胎児への曝露を防止することを目的としている。
2 正。本剤の処方は、TERMS委員会にて評価し、当該製造販売業者に登録されている処方医師による院内処方に限られる。
3 誤。入院中においては、医師、薬剤師等の医療従事者又はその他適切に薬剤管理を行うことのできる者が、処方医師及び責任薬剤師等と協力して、専用の服用支援シートを用いて調剤された本剤の数量管理を行う。
4 正。女性患者(自然閉経した女性等を除く)においては、本剤服用開始4週間前から本剤服用中止4週間後まで妊娠回避を徹底する。なお、男性患者の妊娠回避期間は、本剤服用開始時から本剤服用中止4週間後までとされている。
5 正。次の登録要件をすべて満たす者が、責任薬剤師として製造販売業者に登録される。
・サリドマイドの催奇形性及びTERMSに関する情報提供を受けている。
・TERMSを理解し、遵守に同意している。