正解は 1 アスピリン

解説

 

1 正。アスピリンは、シクロオキシゲナーゼ(COX)のセリン残基をアセチル化することにより、不可逆的に酵素活性を阻害する。
2 誤。ピロキシカムは、アラキドン酸代謝におけるCOXを阻害し、炎症・疼痛に関与するプロスタグランジン(PG)の生合成を抑制する。血中半減期が長く、作用持続時間も長いため、11回の服用で有効である。
3 誤。エトドラクは、COX-2阻害作用が強く、炎症部位でのPGE2生合成を抑制し、鎮痛・抗炎症作用を示す。アスピリンなどの非選択的COX阻害薬と比較し、胃腸障害などの副作用が弱い。
4 誤。ジクロフェナクは、アラキドン酸代謝におけるCOXの活性を阻害することにより、炎症、疼痛等に関与するPGの生合成を阻害する。強い抗炎症作用を有するが、胃腸障害や腎障害などの副作用の頻度はインドメタシンやアスピリンに比べ少なく、特に中枢神経系症状は極めて少ない。
5 誤。チアラミドは、塩基性非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)であり、COX阻害作用は極めて弱いか、ほとんど認められない。なお、塩基性NSAIDsの作用機序は酸性NSAIDsほど明らかではない。

ピロキシカム:バキソ,フェルデン
ピロキシカム:ハイペン
ジクロフェナク:ボルタレン
チアラミド:ソランタール