【治療】
大腸がんは、大腸粘膜上皮から発生した悪性腫瘍であり、腺がん、扁平上皮がん、腺扁平上皮がん、内分泌細胞がんに分類される。
1 誤。大腸がんの発がん過程として、良性腫瘍である腺腫から発がんする経路がある。この経路は、大腸粘膜上皮細胞のAPC遺伝子変異により低異型度腺腫が発生し、KRAS遺伝子変異で高異型度腺腫となり、p53遺伝子変異でがんとなる。EGFR遺伝子の変異が認められやすいのは肺がん(腺がん)である。
2 誤。初期にはほとんど無症状であるが、進行すると血便や腹痛を生じる。結腸〜上部直腸のがんは門脈を介して肝臓へ、中部直腸〜肛門付近のがんは内腸骨静脈や下大静脈を介して肺へ転移しやすい。
3 正。腫瘍の発生部位により症状が異なり、直腸や左側結腸のがんは、血便や便通異常(便秘や下痢など)、腸閉塞症状が生じやすい。さらに進行して直腸周囲の他臓器に浸潤した場合は、血尿や頻尿、性器出血なども出現する。
4 誤。大腸がんの多くは、高分化ないしは中分化腺がんである。扁平上皮がんが大半を占めるのは、食道がんや子宮頸がんである。
5 正。大腸がんで用いられる腫瘍マーカーには、血清CEAとCA19-9がある。これらは、進行度の予測、再発や化学療法の治療効果のモニタリングとして用いられている。早期がんでは陽性率が低いため、スクリーニングには適していない。
〇