正解は 3、5

解説

【化学】
 強塩基であるナトリウムエトキシドを用いた第二級ハロゲン化アルキルの脱離反応は、E2反応である。通常、E2反応はSaytzeff則に従うアンチ脱離で進行する立体特異的な反応である。

1 誤。E2反応は、塩基によるプロトンの引き抜きとハロゲンの脱離が同時に起こる1段階の反応であり、中間体を経由しない。一方、E1反応はカルボカチオン中間体を経由する2段階の反応である。
2 誤。E2反応は、脱離する水素とハロゲンが同一平面上で反対方向(アンチペリプラナー)において進行する(アンチ脱離)。また、Saytzeff則に従った安定な多置換アルケンを生成するため、主生成物は(2Z)-3-methylpent-2-eneである。
3 正。E2反応の反応速度は、次の速度式1に従う。よって、基質である化合物Aの濃度及び試薬(塩基)であるエトキシドイオンの濃度に比例する。
 式1:反応速度=k [基質] [試薬(塩基)]
4 誤。化合物Aのエナンチオマーである(2S,3R)-2-bromo-3-methylpentaneとエトキシドイオンとのE2反応は、Saytzeff則に従ったアンチ脱離が進行する。主生成物の(2Z)-3-methylpent-2-eneは、化合物Bと同一の化合物である。
5 正。化合物Aの脱離反応において生成する化合物Bは、Saytzeff則に従った熱力学的に安定な多置換アルケンである。