【生物】
1 正。神経系Aは、自律神経節が支配器官の近くに存在し、また、節前線維と節後線維の比(シナプス比)が1:1であることから、副交感神経系と考えられる。一方、神経系Bは、自律神経節が支配器官から離れたところに存在し、また、シナプス比が1:多数であることから、交感神経系と考えられる。
2 誤。副交感神経が興奮すると、節後線維終末からアセチルコリン(ACh)が放出され、血管内皮細胞膜上に存在するムスカリン性アセチルコリンM3受容体に作用し、血管内皮細胞内での一酸化窒素(NO)合成を促進する。合成されたNOは単純拡散により血管平滑筋に移行し、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化することでサイクリックGMP(cGMP)の産生を促進して、血管平滑筋を弛緩させる。
3 正。自律神経節前線維の細胞体は脊髄の側角に存在しており、交感神経節前線維の細胞体は胸髄及び腰髄の側角に、副交感神経節前線維の細胞体は仙髄の側角に存在する。また、副交感神経節前線維の細胞体は脳幹(中脳、橋、延髄)にも存在する。
4 誤。交感神経興奮時には、瞳孔散大筋が収縮して散瞳が起こる。一方、副交感神経興奮時には、瞳孔括約筋が収縮して縮瞳が起こる。
5 誤。神経系Cは、支配器官までの間に自律神経節が存在しないことから、副腎髄質を直接支配する交感神経系と考えられる。副腎髄質を支配する交感神経節前線維終末からはAChが放出され、副腎髄質クロム親和性細胞を刺激することでアドレナリンやノルアドレナリンを血中に放出させる。