【実務】
1 適切。クロピドグレルは、肝機能障害や黄疸等が現れることがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、必要に応じて適切な処置を行うこととされている。
2 不適切。クロピドグレルにより、重篤かつ遷延性の低血糖症を起こしたという報告はない。
3 不適切。クロピドグレルは、重大な副作用として血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)などが発現することがあるため、投与開始後2ヶ月間は、2週間に1回程度の血液検査を行うこととされている。
4 不適切。グレープフルーツジュースがクロピドグレルの作用を増強するとの報告はない。なお、グレープフルーツジュースに含まれる成分は、小腸においてCYP3A4を阻害するが、肝臓のCYPを阻害しない。クロピドグレルは、主に肝臓のCYP2C19で活性化されるため、併用により作用は増強しない。
5 適切。一般用医薬品(OTC薬)の解熱鎮痛薬には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が配合されていることが多く、血小板のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害によるトロンボキサンA2(TXA2)合成抑制作用により出血傾向が見られることがある。クロピドグレルは血小板凝集抑制作用をもつため、併用により血小板凝集抑制作用が増強するため、OTC薬の解熱鎮痛薬を自己判断で服用しないように注意する必要がある。