【薬剤】
１ 誤。キニジンの未変化体排泄量は投与量の約20％であり、腎尿細管分泌によって大部分が未変化体のまま排泄されるわけではない。また、重篤な肝・腎機能障害のある患者では、副作用が増大する可能性があるため、慎重投与となっている。
２ 誤。心筋梗塞時にはα1-酸性糖タンパク質の血漿中濃度が増大し、ジソピラミドの血漿タンパク非結合率が減少するため、全身クリアランスは減少する。
３ 誤。ジルチアゼムは、腎臓からの未変化体の排泄率が低く、主にCYP3A4で代謝される肝代謝型の薬物である。また、重篤な肝・腎機能障害のある患者では、薬物の代謝、排泄が遅延し、作用が増大する可能性があるため、慎重投与となっている。
４ 誤。プロカインアミドは、腎尿細管で有機カチオン輸送系を介して分泌されるため、腎尿細管で有機アニオン輸送系を介して分泌されるプロベネシドとの相互作用は報告されていない。
５ 正。うっ血性心不全の患者では、心拍出量の減少により肝血流量が低下するため、リドカインやプロプラノロールなどの肝血流量依存性薬物の肝クリアランスは低下し、全身クリアランスが低下する。