正解は 1 ジメチルニトロソアミン

解説

【衛生】
1 正。ジメチルニトロソアミンは、食品に含まれる硝酸塩と第二級アミンが胃酸酸性条件下(pH 3付近)で反応することにより生成する発がん物質である。硝酸塩は特に野菜に多く含まれており、口腔内の細菌により亜硝酸塩に還元される。第二級アミンは主に海産魚介類に多く含まれており、胃内で亜硝酸塩と反応し、ニトロソ化合物が生成される。
2 誤。Trp-P-1は、トリプトファンの加熱によって生成されるヘテロサイクリックアミンであり、シトクロムP450によりN-水酸化された後、硫酸抱合やアセチル抱合を受けて発がん性を示す。
3 誤。アフラトキシンB1は、Aspergillus flavusが産生するマイコトキシンであり、シトクロムP450(主にCYP3A4)によるエポキシ化を受け、発がん性を示す。
4 誤。サイカシンは、ソテツの実に含まれる配糖体の一種であり、腸内細菌のβ-グルコシダーゼによる加水分解を受けて、最終的にメチルカチオンとなり発がん性を示す。
5 誤。プタキロシドは、ワラビに含まれる配糖体であり、腸管内の弱アルカリ性条件下で非酵素的にグリコシド結合が切れ、発がん性を示す。