【病態】 心不全とは、心臓に器質的、機能的異常が生じ心ポンプ機能の代償機構が破綻した結果、心室拡張末期圧の上昇や主要臓器への灌流不全、それに基づく症状や徴候が出現した病態である。左心不全では肺循環系にうっ血が生じ、急性肺水腫、呼吸困難、起坐呼吸などが認められる。また、心ポンプ機能の低下により全身への心拍出量が減少し、血圧低下、尿量減少などが認められる。右心不全では体循環系にうっ血が生じ、下肢浮腫、肝腫大、頸静脈怒張などが認められる。