正解は 3 6.5 ppm付近の二重線の結合定数が16 Hzであるとき、二重結合はE配置である。

解説

【化学】
1 誤。1.3 ppm付近のピークはイソプロピル基の2つのチルプロトンのシグナルであり、6 H分の二重線として観測される。
2 誤。5.2 ppm付近のピークはイソプロピル基のメチンプロトンのシグナルであり、1 H分の七重線として観測される。
3 正。一般に、アルケンのプロトンのシグナルは4.5~7.5 ppm付近に観測され、水素がシス配置のアルケンでは結合定数(J値)が6~12 Hzの二重線、水素がトランス配置のアルケンではJ値が14~18 Hzの二重線が観測される。
よって、本スペクトルにおいて、6.5 ppm付近の二重線のJ値が16 Hzであるとき水素がトランス配置のアルケンと考えられるため、二重結合はE配置であると判断できる。
4 誤。7.4及び7.5 ppm付近のピークは、芳香環上のプロトンに由来する。矢印で示す7.5 ppm付近の多重線のピークは、7.4 ppm付近の多重線のピークに比べてピーク面積が小さいため、積分値は2 H分と推測できる。
5 誤。最も低磁場に現れている7.7 ppm付近のシグナルは二重線であり、6.5 ppm付近の二重線のシグナルとJ値が等しいため、アルケンのプロトンに由来すると判断できる。