【薬剤】
【病態】
1 誤。腹痛は発生機序により、主に体性痛、内臓痛、関連痛の3つに分類される。
2 正。体性痛とは、持続的で局在のはっきりした強い痛みで、壁側腹膜や腸間膜などに存在する知覚神経終末の侵害受容器が、刺激を受けることにより生じる。腹膜刺激による痛みは、腹壁に分布する知覚神経終末の侵害受容器を刺激するため、体性痛である。他の痛みとして、管腔臓器の伸展やれん縮などにより感じる内臓痛や、内臓痛が脊髄内で隣接する神経線維を刺激した際に発生する関連痛がある。
3 正。腸重積症とは、腸管の一部が連続する腸管の肛門側に向かって陥入した状態であり、小児で生じやすい急性腹症である。主な原因として、感染症により腸に分布するリンパ組織が腫れることなどがある。
4 誤。胃食道逆流症とは、胃酸などの胃内容物が食道に逆流することで食道粘膜が刺激され、胸焼けや呑酸などの逆流症状を呈する疾患である。右下腹部痛及び発熱が生じる疾患には、クローン病や虫垂炎などがある。
5 誤。胆嚢炎とは、主に胆嚢結石による胆嚢内胆汁うっ滞に、二次的に細菌感染が加わることで生じる胆嚢の急性炎症である。主な自覚症状として、右季肋部痛、悪心・嘔吐、発熱などがあげられる。