【病態】
本患者はイリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナートカルシウム、フルオロウラシルの併用によるFOLFIRI療法を行っており、イリノテカン塩酸塩水和物の活性代謝物(SN-38)は、主にUDP-グルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)によりグルクロン酸抱合体となり排泄される。SN-38の主な代謝酵素であるUGTの2つの遺伝子多型(UGT1A1*6、UGT1A1*28)について、いずれかをホモ接合体又はヘテロ接合体としてもつ患者では、UGT1A1のグルクロン酸抱合能が低下し、重篤な副作用(特に好中球減少)の発現頻度が高くなる。