【衛生】
1 正。ジャガイモの発芽部位や変色した緑色部分には、強いコリンエステラーゼ阻害作用をもつ有毒アルカロイドであるソラニンやチャコニンが含まれる。
2 誤。フグ毒テトロドトキシンは、神経や筋肉のNa+チャネルを閉口することにより、Na+の細胞内への流入を選択的に抑制する神経毒である。
3 誤。青梅の果実や種子中のアミグダリンは、β-グルコシダーゼによる加水分解により青酸(シアン化水素)を生じる青酸配糖体である。青酸はシトクロムcオキシダーゼを阻害し、細胞呼吸阻害の結果、酸素欠乏を引き起こす。
4 正。α-アマニチンは、タマゴテングダケなどのテングダケ科のキノコに含まれる毒成分である。8つのアミノ酸が結合した環状ペプチドであり、選択的にRNAポリメラーゼIIと結合しmRNAの転写を阻害し、摂取後24時間程度でコレラ様症状が現れる。
5 誤。シガトキシン(ciguatoxin)は、魚の体内で生合成される毒素ではなく、シガトキシンを産生する有毒渦鞭毛藻を摂取することで魚類に生物濃縮される毒素である。シガトキシンやマイトトキシン(maitotoxin)などが関与して発生する食中毒を総称してシガテラという。シガテラは、特に熱帯から亜熱帯のサンゴ礁周辺で多く見られるが、近年海水温の上昇により関東近郊の海域でも確認されている。シガテラの症状として、冷たい物に触れると電気刺激のような痛みを感じるドライアイスセンセーションがある。