【実務】
2週間後、本患者には壊死組織がほとんど見られず、滲出液の減少、赤色期の肉芽形成の開始が確認されたため、今後は表皮形成を促進させるような外用剤を使用することが望まれる。
1 適切。トレチノイン
トコフェリル軟膏は、肉芽形成を促すために用いる。乳剤性基剤が用いられている。そのため、含有する水分が肉芽内に移行して浮腫性肉芽を形成しやすくするため、滲出液の多い創では、避ける必要がある。
2 不適切。フラジオマイシン硫酸塩・結晶トリプシンパウダーは、比較的浅い創では肉芽の清浄化と創面の乾燥化をするために用いる。
3 不適切。ヨードホルムガーゼは、創面・潰瘍の殺菌・消毒に用いる。
4 不適切。ブロメライン軟膏には、吸水性を有するマクロゴール軟膏が基剤として用いられている。創傷面が清浄化し、新生肉芽組織の再生が認められた場合は使用を中止する。タンパク分解作用により、局所疼痛や出血のおそれがあるので、壊死組織が除去された後は使用しない。
5 適切。アルプロスタジル アルファデクス軟膏は、表皮形成促進や血管新生作用により創傷治癒の促進のために用いられる。