【生物】 本患者は、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)と診断されており、下垂体後葉からのバソプレシン分泌が亢進していると考えられる。バソプレシンは、主に集合管の主細胞に存在するV2受容体(Gsタンパク質共役型受容体)を刺激し、アデニル酸シクラーゼの活性化を介してプロテインキナーゼA(PKA)を活性化させる。PKAは、集合管の主細胞内の小胞に存在するアクアポリン(AQP)-2(水チャネル)を管腔側の細胞膜に表出させ、管腔内の水の再吸収を促進する。