【衛生】
1 誤。糖の小腸上皮細胞からの吸収は単糖のみであり、多糖や二糖のままでは体内へ吸収されない。マルトース(麦芽糖)は2分子のグルコースがα1→4結合した二糖であり、小腸上皮細胞のマルターゼでグルコース2分子に分解され、小腸上部で効率よく吸収される。小腸でのマルトースの吸収効率は、グルコースと同様にほぼ100%である。
2 正。マルターゼはα-グルコシダーゼである。α-グルコシダーゼとは、糖質の非還元末端に存在するα-D-グルコシド結合を加水分解する酵素の総称をいう。腸管内におけるマルトース、アミロース、デキストリンなどの消化に関与する。
3 誤。スクロース(ショ糖)は、グルコースとフルクトースがα1→2β結合した二糖であり、砂糖の主成分である。
4 正。小腸管腔内に滞留する未消化の二糖類が大腸管腔内に移行すると、低分子量の二糖類濃度の上昇に伴い腸管側の浸透圧が上昇するため、腸管壁から腸管側に水が引き寄せられ、下痢が起こりやすくなる。
5 誤。ボグリボースは、腸管において二糖類から単糖への分解を担うα-グルコシダーゼを阻害する。母乳や牛乳に含まれるラクトース(乳糖)は、グルコースとガラクトースがβ1→4結合した二糖類であるため、ボグリボースによりラクトースの分解は阻害されない。また、α-グルコシダーゼ阻害薬のミグリトールは、ラクトースを分解するラクターゼを阻害する。