正解は 4、5

解説

【生物】
1 不適切。麻しんウイルスは、経気道的に体内へ侵入した後、上気道及びリンパ節へ拡散し、リンパ球や樹状細胞、マクロファージなどの免疫担当細胞の中で増殖する。また、呼吸器系の上皮細胞で増殖した麻しんウイルスは、咳などにより体外へ放出される。
2 不適切。麻しんウイルスの感染により、口腔や咽頭の発赤した粘膜に生じる小白色斑(コプリック斑)や、頭部から下肢へと広がる全身性の発疹は観察されるが、帯状疱疹は観察されない。回帰発症で帯状疱疹を生じさせるウイルスとしては、ヘルペスウイルス科に分類される水痘・帯状疱疹ウイルスがあげられる。
3 不適切。麻しんウイルスは、患者の咳やくしゃみにより生じる飛沫中の水分が失われ空気中に長期間浮遊する飛沫核が感染の要因となる空気感染(飛沫核感染)に加え、飛沫そのものが感染要因となる飛沫感染や接触感染も問題となる。
4 適切。麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)は、弱毒生ワクチン(生ワクチン)である麻しんワクチンと風しんワクチンを含有するため、麻しんウイルスと風しんウイルスに対する細胞性免疫及び体液性免疫が誘導される。
5 適切。MRワクチンに含まれる麻しんワクチンと風しんワクチンは、いずれも弱毒生ワクチン(生ワクチン)である。