正解は 2、5

解説

【病態】
1 誤。褥瘡とは、同じ体勢を長時間続けるなどで身体に加わった外力によって、骨と皮膚表層の軟部組織の血流が低下もしくは停止した状態が持続し、不可逆的な阻血性障害に陥ることである。体動による摩擦は発症に関与しない。
2 正。褥瘡の発症要因として、低栄養による創傷治癒に必要な栄養素(亜鉛やタンパク質など)の不足、痩せ、加齢、薬剤投与などがある。
3 誤。本患者は嚥下障害があるため、摂取カロリーが不足する場合は経腸栄養が適していると考えられる。特に長期療養を行う場合は、手術などで瘻(管状の穴)を増設する腸瘻、胃瘻といった経瘻孔栄養が用いられる。
4 誤。慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者では、呼吸に伴う消費エネルギーが増加しており、栄養障害が高率に発症する。そのため、栄養管理として経口や経腸栄養が行われるが、糖質は二酸化炭素の産生量が脂質やタンパク質よりも多いため、糖質摂取量を減らして脂質でエネルギーを補う食事が推奨されている。
5 正。経腸栄養のうち経鼻栄養は、経口摂取が不可能で消化管を安全に使用できる患者に対する6週未満の短期療法で用いられる。胃の運動機能障害がない場合は経鼻胃管栄養を用いることができる。