【実務】
1 正。通常、妊婦への生ワクチンの接種は、ワクチンウイルスが胎児に移行する危険性があるため禁忌となっている。麻疹、風疹、水痘及びおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)のワクチンはいずれも生ワクチンである。
2 正。B型肝炎ワクチンは、通常3回接種するが、その後の抗体検査でHBs抗体価が一定の濃度以上(10mIU/mL以上)確認されない場合には、追加接種することがある。
3 正。副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤を服用している患者では、免疫機能低下により、生ワクチン(弱毒化した病原体)の感染が増強もしくは持続する可能性がある。そのため、生ワクチン接種の際には、薬剤の服用中止後一定期間以上の間隔をあける必要がある。
4 正。インフルエンザワクチンの精製には、発育鶏卵が用いられるため、鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギー反応を示す人には、十分な説明を行い、同意を得た上で注意して接種する必要がある。
5 誤。ツベルクリンは、結核菌に対する細胞性免疫の有無を診断するために用いられる抗原であり、結核菌に対する抗体産生を目的として接種されるものではない。また、結核菌感染の診断に用いられるツベルクリン反応やIGRA(インターフェロン-γ遊離試験)が陰性の場合は、BCGワクチンを接種することがある。